歯科医院を新規開業するのと、分院長を務めて分院を買取るのとどちらが開業資金を抑えられる？コスト削減ばかりを考えてしまう人の開業時の落とし穴とは？

歯科医院の開業方法は、新規に開業する以外に、代替わりや
勤めていた分院を買取る方法など様々です。

その中で、どの形が一番良いのか、
選択肢が多いと逆に悩んでしまうこともありますよね。

「現在勤めている歯科医院では、分院の院長をしていていますが、
そこを買取って独立してもよいという話をもらっています。
買取ってそのまま開業するのか、新たに別の場所で新規開業するのかは
どちらが良いのでしょうか？」

こんなご相談をいただくこともあります。

新規開業する時には、
誰しもできるだけ開業資金を抑えたいと考えると思います。

そこで、新規開業か分院を買取るのかでは、どちらが良いのか
参考に私の考えをお伝えしたいと思います。

【分院を買取った方が開業資金を抑えられそうに感じる落とし穴】

どちらも新たに開業することは同じなのですが、新規開業と、
分院を買取って開業するのとでは大きく開業の考え方も異なってきます。

一見、分院を買取った方が、内装費や設備投資、スタッフなども
最初からあり、何よりスタート時から患者さんもそのまま引き継げるので、
開業資金を抑えつつ最初から集患もできているように感じると思います。

ただ、分院を買取るのは将来的なものになると思います。

将来買取る時には、内装、機材などを含めて
古くなってしまっている可能性があります。

また、自分の好みに合わない内装という場合もあるでしょう。

内装や機材などが古くなっていれば
内装と設備を新たに投資する必要がでてきます。

おそらく造作費用なども込みで買取るはずなので、
その辺の金額がさらにかかってくる形になります。

そして、
自分が独立するのですから、独自色も出したいはずです。

しかし、買い取った場合は、独自色を出しすぎるとそれまで
分院に来てくれた患者さんは戸惑って離れていく可能性もあります。

そのような背景から、思った以上に大きな変更もできずに、
自分がやりたかった歯科医院ができない可能性もあるのです。

確かに分院を買取る場合は、
新規開業よりもコストは抑えられることは事実ではあります。

ですが、未来を考えた時に、そのまま分院を買取って自分が考える
治療方針などを提供できるのか？ということも考えた方が良いでしょう。

そう考えると一概に「開業資金を抑える」ことが良いことなのでしょうか？

開業資金をできるだけ抑えることは大切ですが、
先生が考える「患者さんに提供したい歯科医療」は、
分院の流れを汲んで買取った場所では提供しづらいはずです。

【開業資金を抑えることが目的になって開業を考えてしまうと失敗します】

先生は、何を目的にして開業を考えていますか？

開業資金を抑えることではないはずですよね？

たまに、「できるだけ安く内装をしてほしい」という要望を出す先生も
いるのですが、内装を安くすることが目的になっていて、実際に開業した時に
来てくれる患者さんのことを全く考えられていない人が稀にいます。

開業資金を抑えることなのか、歯科医院を持ち、健全に運営することなのか。
どこに主眼を置くのかで全く違います。

コストを抑えるのはあくまで手段の一つです。

大切なことは、患者さんにどんな治療を提供していきたいのか？です。

そして、その治療方針に合わせた歯科医院の内装などを考えていくことです。

先生のキャラクターや、治療方針を内装に反映させていくことで、
自分が患者さんに提供していきたい歯科医療の独自の価値が出てきます。

そして、その指針があるからこそ、患者さんに愛される歯科医院を
作っていくことができるのではないかと思います。

ですので、分院を買い取るのは１００％ダメなわけではありませんが、
目先のコストダウンなどに流されずに、まずは、自分がどんな患者さんに、
何を提供していきたいのか？

そこに合わせた先生らしい歯科医院を作っていってほしいと思います。

私は、そんな先生のサポートをさせていただきますので、お気軽にご相談ください。